「婚活、疲れた…」という声をよく聞きます。それは、当然です。なぜなら、そもそも婚活は成果が出にくい活動だからです。希望する相手が中々みつからないし、面談(=デート)しても断られることの方が多いし、断られた理由もよくわからないし、全人格を否定された気分になるし…と悪いことずくめだからです。
また、真剣に活動すればするほど報われない不条理さ。そして周囲の人の不理解も辛いところです(=特に親)。そして、婚活は長期に渡ります。平均2年間(*)…そりゃ、疲れますって。
この記事では、なぜ「婚活が疲れるのか」その理由を明らかにします。「婚活、疲れた…」と嘆いているのは、あなた一人ではありません。そして、あなた一人に原因があるわけではないのです。まずは婚活疲れの「構造的な原因」を知ってください。モヤモヤしていた気分は少しずつ晴れてくるはずです。「婚活、疲れた…」に効く最初の処方箋、ぜひ最後までお読みください。
原因1.婚活手段を誤ると成功率は低い
婚活手段の選択を誤ると成功率は著しく低下します。例えば、結婚相談所の成婚率は女性の場合、平均8.6%、男性で平均7.9%しかありません(経済通産省調べ)。成功するのは10人に1人以下の確率ですから、歩留まりが悪い。費やした時間も努力もほとんど報われないということです。
他にも成果が上がりにくい婚活があります。具体的には、明治安田福祉研究所の調査によると、婚活パーティは「期待はずれの婚活、ワースト3」だし、合コンで交際相手が見つかった人は全体の4%しかいません(弊社調べ)。
婚活の成功指標はいうまでもなく「結婚」です。だから、成功率が低いのは致命的。ゴルフなら練習して「スコアがよくなった」とか、英語ならスクールに通って「ハワイのマックで注文できた」なんて具合に成果が出ますが、成功率が低い婚活手段を選んでしまうと(一部の勝ち組を除いて)悪戦苦闘してしまいます。だから疲れる人が続出するのも当然なんですよね。
原因2.始める前の期待と現実のギャップが大きい
婚活が疲れるのは、婚活サービスの仕組み自体も原因になっています。結婚相談所の入会説明会のデモがその一例です。説明会に来た人に「年収」や「住んでる地域」などの希望条件を入力してもらう。そして検索すると該当する男性会員の一覧が表示される。「わぁー、600人もいるんだー。いい男がこんなにいるんだー」と想定外に多い結果に期待を膨らませるという仕掛けです。
しかし、よーく考えてみてください。その600人があなたを選ぶんでしょうか。相手の男性にも希望条件がある。だから600人の中であなた(例えば39歳の女性)を希望する人がどれだけいるのか、本当はそこまでの情報を入手しないと正しい期待値をセットできないハズです。こうして期待は高まる一方、実際の活動をはじめると低調な結果が続くので「婚活、疲れた…」となるわけです。
ちなみに、結婚相談所でお見合いを申し込んで成立する確率は平均10%以下しかありません。
疲れるわけですよねー。
本来なら、結婚相談所は両者の希望条件をマッチングさせた該当人数を提示するべきです。そうじゃないと、入会すべきか否かの判断材料として不適切です。しかし、それじゃぁ商売が成り立たないんでしょうね。両者の希望条件をマッチングさせたら、該当者が激減するからです。「えーー、3人しかいないの!」となりかねません。
原因3.玉砕し続ける理由が「自分より好条件の人にアプローチしている」ことに気づかない
結婚相談所、婚活サイトなどに共通する現象があります。それは「自分からアプローチする異性は、自分より好条件」というもの。例えば、40代の男性の場合、若くて綺麗な女性にばかりアプローチして、全然マッチングしない(=お見合いが成立しない)。その一方で、同じ40代の容姿が不利な女性からはお見合いの申し込みをガンガン受ける、といった現象です。
これは40代男性に限ったものではなく一般的な傾向で、実証研究も存在しています。行動経済学者のダン・エアリーによる、婚活サイトでのビックデーター解析などが知られています。
しかし、自分より若くて綺麗な女性にアプローチしたいのは男性の性ですし、白馬に乗った王子様(=条件のいいイケメン男性)からお見合いを申し込まれたい、という乙女心も当然といえば当然、私には痛いほどわかります。とはいえ、うまく行かなかったら活動を見直す=条件を下げるのも一計です。冷静な判断と言えるでしょう。でも皮肉なことに、この判断が更に「婚活、疲れた…」という原因を生み出してしまうのです。
原因4.条件を下げたのに断られる屈辱に気が滅入る
「条件を下げたのに断られる」と更に気が滅入ります。条件を下げた相手にお見合いを申し込んでも断られるとか、面談しても「もう一度会ってみて、もう少し相手のことを知ってから決めよう」と妥協したのに、相手の方から断られるとか。いろいろなパターンがあります。これは気が滅入りますよね。人によっては屈辱感で夜も寝れなくなるそうです。
原因5.断られた理由がわからず、全人格を否定されたような気分になる
お見合いの面談で相手から断られた時、結婚相談所のアドバイザーや仲人が口にする定番のセリフがあります。それは「今回は、ご縁がありませんでした」です。正直、「原因を特定しろよ、アドバイザーならさー」「次回はどうしたら上手くいくか教えろよ、アドバイザーならー」と嫌味の一つもいいたくなりますが、仕方ありません。そんな能力はないし、手間をかけるつもりがないからです。
この「ご縁がありませんでした」が毎回続くようなら、そしてそれが長期にわたると、精神を蝕む危険性すら孕んできます。断られる原因がわからないと、そのうち「ダメな人間だ」と自らが自らの全人格を否定するようになるからです(おのクリニック「婚活疲労外来」小野医師の談話を筆者要約)。
原因がわかるなら気持ちは救われます。例えば「容姿も性格もいいんですが、家庭的でないところが残念でした」とダメな理由がわかればいいのです。家事のスキルが低評価であって、人格が否定された訳ではないことが分かるからです。そして「よっしゃ、料理教室に行こう!」と前向きな改善策も生まれるわけです。そうじゃないから、婚活は辛いのです。
原因6.辛さをわかってくれない身内の不理解
辛くても「ほんと大変だね」と話を聞いてくれる人がいると、疲れは癒されるし苦しさも和らぎます。しかし婚活している大半の人は、婚活していることを周囲に話していません。だから、愚痴を聞いて辛さを共有してくれる人がいない。一人で苦しむというキツイ立場に追い込まれるわけです。
ここで、身内(親御さんなど)の理解があればまだ救われます。しかし、得てしてあるのが身内の不理解です。親御さんの世代は、周囲の勧めでお見合いし、勧められるまま結婚した世代ですから、そもそも婚活に不理解です。また結婚した年齢も低く(概して20代)、現在の妙齢(概して30代、場合によっては40代)の独身者に対しては「高望みして」とか「責任感がない」とか手厳しいのが常です。
全人格を否定されている苦悩の中で、誰にも胸のうちを開かすことが出来ず、身内には厳しい目を向けられるとしたら…
それは「婚活、疲れる」というより「婚活、地獄」という阿鼻叫喚の心境に違いありません。
まとめ
婚活は疲れます。主たる原因は、婚活というシステム自体にあります。だから、殆どの人はもがき苦しむのが実態です。疲労困憊なのは貴方だけではありません。そんな中で、助けになるのは「戦友」「同志」の存在に違いありません。お友達にそっと打ち明けるとか、婚活パーティで同じ会場にいた同性に声をかけるとか…、まずは自分一人で抱え込んだ悩みを解放することが、婚活地獄から抜け出す大きな第一歩ではないかと思います。
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(*)経済通産省の調査結果。結婚相談所の平均在籍期間は約24ヶ月間(男性・成婚しないケース)。大きな括りで「婚活」といった場合には、さらに長期に渡っていると思われる。
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